だが、 Hや B という事業会社の「越境」で、扉はようやく開くかもしれない。
「決済は銀行」という常識を取り払う新たなバトルは、ゴングが鳴ったばかりだ。
S と E 。
次世代決済を担おうとする2つの電子マネー。
勝ち組を見極めようとする銀行と、できるだけ多くの銀行を陣営に取り込んでカード発行枚数を伸ばそうという企業の駆け引きが続く。
「株式市場で起きた大変化が商品市場で起きないはずがない」。
株式の委託手数料が完全自由化された1999年ごろ、 M 証券社長の M は商品取引会社の首脳を前に断言した。
この「予言」は現実味を帯びてきた。
台風の目は05年5月に営業を始めた D (東京・渋谷)。
旧通産省で商品取引業界を管轄する商務室長を務めた K が立ち上げたネット専業の商品取引会社だ。
この若い会社に M 証券、 R が出資、急成長したネット証券の再来を目論む。
一方の商品先物業界。
2つの大改革で約90社のうち「半分も残らない」とささやかれる。
そんな矢先での証券会社からの「越境」に警戒感を強める。
O 商事社長の K は「今後は証券会社の参入が増える。
経営のスピードや柔軟性を高めないと生き残れなくなる」と不安を隠さない。
O 商事は04年末、逆に証券分野に「越境」した。
同社は商品ファンドの最大手。
だが商品ファンドには「50%以上を商品に投資しなければならない。
K が目指すのは「ネットを活用した迅速性、経済性、利便性の高いサービス」。
個人向けの株式取り次ぎで市場占有率(シェア)を急速に伸ばしたネット証券のビジネスモデルだ。
新会社の経営には M と R 傘下の R 証券社長、 S が非常勤取締役として加わり、成功モデルを「伝授」する。
勝機はある。
というのは、商品先物業界には2005年、2つの改革があるからだ。
一つは商取会社の収益源である委託手数料の完全自由化。
もう1つは同年5月施行の改正商品取引所法で、悪評だった強引な勧誘手法は厳しく規制される。
手数料の引き下げ競争が始まり、業界に対するイメージが払拭されれば、ネット証券と同じ「勝ちパターン」が浮かび上がってくる。
「商品先物はインフレヘッジ手段などとして個人に定着する可能性はある」。
MBH 社長の M は期待する。
同社傘下の NB 証券(現 MB 証券)は、04年2月から商品先物の取り扱いを始めた。
口座数は約700だが、若い世代の初心者の利用も目立つという。
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